『 オバマ広島慰霊碑に献花 』の経緯に感動

2017年8月9日  中山 明俊




1・今日8月9日は長崎に原爆が投下された日である。
 ・・・ dead,including over 100,000 japamnese men women
     and children ,thousans of Koreans and a dozen Americans
     held prisnor ・・・
  2016年5月27日はオバマ大統領が原爆慰霊碑に献花したあと、17分間の 演説をした。上の記述はその中のほんの一部であるが重要なフレーズである。
  被爆者は日本人が 10万人以上、韓国人が1000人余り、そして、
  12人のアメリカ兵
と明言した歴史的な日である。
 そのあと、オバマ大統領は出席していた被爆者の一人ところへいき、その人の肩を抱いた。その被爆者は、いったい誰で今日オバマ大統領と親しく言葉を交わすどんないわれのある人か、放映中の解説は、何もされなかったように記憶している。何か釈然としないまま1年余り過ぎた。
 それが昨日、テレビBSプレミアム 22:00のアナザーストーリーの放映で分かった。感動の話であった。

2・その人の名は「森 重昭」であった。
 森重昭さんはもちろん被爆者である。森さんは日本軍に撃墜された米軍機の搭乗員の12人が広島で原爆を被爆し、すべて亡くなったことを知った。そこでこの人たちの遺族への連絡先を何年も探し、遺族へ「鄭重に葬られている」ことを伝え、遺族との連絡が取れた米兵について、広島市へ伝え、これらのアメリカ軍人も現在では原爆慰霊碑に納められている死亡者名簿に書き加えられるよう働き続けてきたというのである。
 この事実を知ったからオバマ大統領は広島へ慰霊に来ることを決断した一つの理由になったことは想像できる。

3・そして「オバマへの手紙」
 伊勢志摩サミット後に「オバマ大統領の広島訪問」は実現した。この企画の発端は、広島テレビ放送開局50周年事業としての「オバマへの手紙」でした。オバマへの手紙は、広島テレビが被爆者や一般市民から集めた1472人の「オバマ大統領の広島訪問を熱望する」という内容が多く、広島テレビ放送の三山秀昭社長がホワイトハウスを訪れ、国家安全保障会議の高官に手渡した。その時、その高官は手紙に書いてあった被爆米兵の存在に強い興味を示したというのである
 アメリカ国民が「オバマ大統領の広島訪問」で一番恐れたことは、大統領に対して日本人の多くが原爆投下に謝罪を求めるのではないかということであった。特に、退役軍人や保守派の人たちが今でも「原爆投下は戦争を早く終わらせるため」にやったことだと固執していることで、大統領の広島訪問に強く反対しているという。
 「オバマへの手紙」はこの人たちに対して、日本人は原爆投下に謝罪を求めるようなことはしない。そんな空気を説明するには、「オバマへの手紙」は十分な内容であったようだ。
 このような経緯で、オバマ大統領の広島訪問がやっと決定したという経緯も分かった。同時に、オバマ大統領があえて森重昭さんを抱擁した意味も了解できた1日であった。


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