『 羽田空港から車での脱出に失敗した 』

これはフィクションではありません

2018年5月12日   中山 明俊



 ドラマ仕立てのタイトルにしたが、何のことはない羽田空港の構内周回道路から道を間違えて、必要のなかった首都高速に入ってしまった。損害額1300円の高速料金を払うことになってしまった、という話である。

 羽田空港へ車で行くときは、いつも緊張感が高い。準備として道路の構造を頭に入れて出かける。それでも、しばらく羽田へ行かなかったあとに、行くときは緊張感が高くなる。
 九州から遊びに来ていた友人が羽田から帰るというので、空港まで送っていった。離陸時間は12時30分であるから。眞昼間である。そして天候も曇り微風。高齢者の自動車運転とは言え、運転を妨げる条件は何もない。
 ただ気になることは、羽田空港へ最近は行っていないということだけである。
 世田谷の自宅からは環状八号を一本道、羽田へ向かえばいい。
 羽田空港の構内道路は基準階に周回道路があって、そこからターミナルビルへ行くなり、駐車場へ入っていく構造になっている。目標地点へは適宜分岐して入っていけばいい。原理的には極めてシンプルある。分岐に入るとき、入り損ねたらもう1周回ってその分岐へ戻ってきて、行きたい進入路へ入っていけばいい。そんなに難しいことではない。それがなぜか、正しい進入路を選ぶことは難しいのである。

 そのプレッシャーは、構内道路には信号がなく車に乗降する以外、車は停止できないことだろう。分岐する入り口の選択に失敗してそこをやり過ごし、周回道路を入っているうちに曲がりくねる道路ばかりを見ているから、自分が今走っている現在位置が頭の中の地図がら、ずれて位置感覚が狂ってくる。大げさに言うと、次第に高まる焦りが分岐選択の決断を遅らせて、気が付いたらし首都高速の入口の道路を選んでいた、ということである。

 これ今どきの高齢運転者の運転ミス、逆行やアクセルの踏み間違いなどと、いうことだろうか。そうは思いたくないが、同類だろうか。
 緊張感は若いころから感じていた。だから構内道路地図のコピーを準備し、分岐標識も出発前にいつもチェック確認して出発している。

 一言言い訳をすると、帰路の「構内道路を外れる分岐点は、ややわかりにくい」。(掲載した構内道路地図参照)第1ターミナル側(地図の左側)のP2駐車場の次のバスプールの出入り口をやり過ごしてから右折してP2駐車場の入り口の方へ分岐してからすぐに左折分岐し、そのあともう一度 左折すると環状八号へ向かう道路へ出る。難しい選択ではあるがそれがこの地点であるという決断が遅くなったということだろうか。

 今気が付いたが、「構内道路は停車できない」からプレッシャーになっている、と思い込んでいた。しかし、車を止めたければ、ターミナルビルの車の乗降位置へ行けば、いつでも止められる。位置感覚が狂ったときは、その位置へ行って立ち止まって一息入れれば、間違いなく正常になって落ち着いて、走れるはずであると気が付いた。周りが見えていない、ということだろう。


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