『 空気電池ってどんなで電池? 』

  2018年2月21日   中山 明俊



  空気はどんなエネルギーを
    持っているのか?

  その電池はどんな形してる?



 補聴器ではボタン型電池

 ★亜 鉛 空 気 電 池★
 [電池分類では金属空気電池]

  軽量小型・高容量

 電池寿命は従来型の2倍

  ・耳あな型1週間

  ・耳掛け型3週間

 「空気が電池の能力にどんな力を与えているか」を理解するためには、 まず、電池の仕組みを明らかにしなければならないだろう。

 電池はプラス極(正極)に炭素材、マイナス極(負極)に金属、そして液状の電解質溶液、この3つの素材で構成されている。その3つ素材が酸化還元作用をすることによって三者の間を電子が移動して、放電したり、充電したりして、電池の機能を働かせる。このような手順の化学作用を利用した道具である。その有用性は、電気エネルギー(パワー)を働かせるところにある。

 今、社会は電気自動車の時代を迎えようとしている。その電気自動車の動力源は「リチウムイオン電池」である。リチウム(原子番号3)は元素の中で最も電子を離して「イオン化」しやすい元素である。同時にリチウムイオンは正極、負極いずれにも潜り込みやすい性質を持っている。この両極に潜りやすい性質は、放電するだけでなく充電もできる機能を働かせるには必要な性質である。
 電池は利用目的を果たすための多くの機能面の条件を満たさなければならない。蓄積できる電気容量はどれだけか。重量は、形状、大きさは、化学作用を利用するから安全で安定していないといけない。製造技術は確立しているか、充電にどれぐらいの時間がかかるか、自動車電池の場合、1回の充電で何km走行できるか、経済的コストはどれぐらいかなどの諸条件が満たされて、有用性が確認される。

 それでは、リチウムイオン電池は放電時どのように働くか。
 まず放電回路が接続される。正極から負極へ電流が流れる。電池内では 負極の物質(原子)から電子が放出され、正極へ到達する。負極がリチウムならリチウムがイオン化する。リチウムイオンは電解質へ流れ出て、そして正極へ潜り込む。これが電池の放電である。放電過程は負極側の素材の酸化である。
 次に充電回路に接続されると、逆の働きが実行される。素材に電子が加わって還元作用が働く。
 充電できない電池は放電過程だけの化学変化で終わりである。

 以上が電池の一般的な作用過程である。ここでの主題は「空気電池がどのような構造で、どのような作用をするのか」説明しなければならない。

   イラストの出典
    http://j-net21.smrj.go.jp/develop/digital/entry/001-20090415-01.html

 空気電池の原理は、放電時電子を受け取る正極(プラス極)側を開放した構造にして大気中の酸素へ電子を放出する。結果として正極の構造が軽量化でき、大量の電子放出ができ、エネルギー密度を飛躍的に高くできる、高出力の電池ができる可能性を持っている。この空気電池こそ、次世代の電池と期待されている。
 現在は、補聴器の電池など、小型の一次電池(充電不可)の段階にあり、2次電池化(充電できる電池)の開発が急がれている。


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